写真展「SPORTRAIT PHOTO EXHIBITION」が開催中

今回の写真展は16人10競技のアスリートのみなさんにご協力いただき、開催しています。展示メインの14点の写真パネルは、SPORTRAITがスポーツの現場で感じた“空気感”や“雰囲気”に焦点を当ててセレクトしました。写真パネル下にあるキャプションには、それぞれの写真に登場するアスリートのプロフィールと展示写真の掲載記事にリンクするQRコードを記載しています。写真を見て切り取られたシーンの背景にあるストーリーを想像し、そして気になった写真の記事を読んで、とその場での展示とWEBマガジンの両方を楽しんでいただけたらと思います。

例えば、土田和歌子選手（トライアスロン/陸上）の朝焼けを背景に、ヘルメットをつける写真。2019年7月、トレーニングロードとして名高い千葉県の富津岬で取材・撮影した時のものです。この日は、日が昇る前の暗い時間からハンドサイクルでのトレーニング、日が沈んで道路が見えなくなるまで競技用車いす・レーサーでのトレーニング、とみっちりトライアスロンの2部練。防砂林に挟まれた長い直線の道路を夫でありコーチである高橋さんと2人走り抜けていく姿が印象的でした。綺麗な朝焼けを背景に「さぁ、これから」と笑顔でヘルメットをつける土田選手の姿に彼女のストイックさと覚悟を感じた瞬間でした。そんな土田選手のストーリーはWEBマガジンでは「ATHELETS’ CORE」コーナーで読むことができます。
（https://sportrait-web.com/player.php?cid=151）

そして、展示の左端に位置するデジタルサイネージでは、1人の選手に焦点を当て、 “1テーマ2ストーリー”で展開する人気特集「ON/OFF」コーナーから、7人の選手、各々の表情を順番にスライドで展示しています。アスリートの本番で垣間見る真剣な表情、勝負の瞬間を「ON」、彼、彼女たちらしい表情、積み重ねる日常を「OFF」とした異なる2つの表情を２つのサイネージにそれぞれ、同時に写しています。一気に2つの表情を目にしてもらうことで、「ON/OFF」表裏一体どちらも彼、彼女たちなのだと感じていただければと思っています。

緊急事態宣言が解かれ、そろりそろりと様子見の毎日から、新しい日常へとゆるやかに変化していく頃、今回の写真展の企画は進み始めました。これまで通りのコンテンツ制作は難しくなりましたが、この機会に少し立ち止まり、後ろを振り向いてみたことで、積み重ねてきたものに気が付き、自分たちが発信したいものは何か、と改めて整理する機会になりました。「失われたものを数えるな、残されたものを最大限に生かせ（ルードヴィヒ・グッドマン博士）」。パラスポーツの現場で出会うことが多いこの言葉がふと過ります、過ぎた時間や失った機会ではなく、これまで積み重ねてきたもの、そして、これから積み重ねるものを大切にしていきたいと思います。今回、お声かけいただき会場の調整や会期中の運営など、多大なるご協力をいただいたアシックスさま、日比谷公園のSPORTS STATION & CAFÉの皆さまには大変感謝しています。
会期は11月30（月）まで、紅葉鮮やかな日比谷公園にぜひ足をお運びください。