2016年リオデジャネイロ大会からパラリンピック正式競技に採用されたカヌー。
水しぶきを上げ、水上を滑るように突き進んでいく様子は迫力があり、水をとらえて放す、選手たちの無駄のない滑らかな動きは、障がいがあることを感じさせないほど美しい。
一方で、幅50cm程度しかない艇は、ひとかきでも狂えばバランスを失い転覆してしまうため、実際には強靭なバランス力と筋力が必要とされる競技だ。
大自然に囲まれた場所で戦う数少ない競技の一つであり、技術はもちろんのこと、刻々と変化する自然条件をどう読み、味方につけるかも勝負の大きな分かれ目となる。