ATHLETES' CORE

バドミントン

ATHLETES' CORE

超高速スマッシュと緩急を織り交ぜた緻密な戦略と駆け引き

2020年の東京大会からパラリンピック正式競技となるバドミントン。トップレベル選手のスマッシュは初速400km/hにも達し、最速の球技とも呼ばれている。
車いすの選手と一部の立位の選手は、一般のバドミントンコートの半面だけを使ってシングルスの試合を行うが、スペースが狭い分なかなかスマッシュが決まらないため、より一層の持久力や忍耐力が求められる。いかに相手のいないスペースにシャトルを打ち込み、またシャトルの軌道や相手のプレーを予測して落下地点へと入り込めるか。
勝負を仕掛けるタイミングやショットの緩急など、選手たちの緻密な戦略と駆け引きにも注目したい。

コレだけは覚えておきたい!観戦ルールブック

  • バドミントンとは

    コートの中央にあるネットをはさんで向かい合い、ラケットでシャトルを打ち合って得点を競う競技。21点先取で1ゲーム獲得となり、2ゲームを先取した方の勝利となる。
    ネットの高さや基本的なルールは一般のバドミントンと同じだが、障がいの種類や程度によって一部変更が加えられている。
    男子と女子があり、障がいに応じて大きく車いすと立位のカテゴリーに分けられる。競技は各カテゴリー内で障がいの種類と程度によって更に細かく分けられたクラスごとに行い、
    順位を競う。それぞれ1対1のシングルスと2対2のダブルスがある。


    ●コート
    一般のバドミントンと同じコートを使用するが、シングルスとダブルス、また障がいの種類と程度によってプレーやサーブの有効となる範囲(インエリア)が異なる。
    審判には、ネット横に設置された高い椅子に座って全判定を決めるチェアアンパイア(主審)と、シャトルがライン内に入ったかを判定するラインアンパイア(線審)がいる。






     
  • パラバドミントンのルール

    ネットの高さや基本的なルールは一般のバドミントンと同じだが、障がいの種類や程度によって一部変更が加えられている。
    サーブからスタートし、
    21点で1ゲーム獲得となり、2ゲームを先取した方の勝利となる。ただし2020で並んだ場合は、相手に2点差をつけるか、30点を先取した方の勝利となる。
    大きくは車いすと立位のカテゴリーがあり、更にその中で障がいの種類と程度に応じて分けられたクラスごとに競技を行い、順位を競う。
    それぞれ
    11のシングルスと22のダブルスがある。


    【用具】

     ●ラケット                                                  ●シャトル


     









    ●車いす
    車いすのカテゴリーの選手は、バドミントン専用の競技用車いすを使用する。
    接触プレーがないため、車椅子バスケットボール用の車いすのようなバンパーはついていない。
    シャトルのスピードについていけるよう、女性でも簡単に持ち上げられるほど軽量化されている。







    【サーブ】
    プレーを開始するために相手コートにシャトルを打ち込むこと。
    主審のコイントスで、どちらがサーブ権・レシーブ権もしくはコートサイドを選ぶかを決め、サーブ権を取った側のサーブから試合を開始する。
    その後はラリーに勝った方が次のサーブを行い、第2・第3ゲームの最初のサーブは前のゲームの勝者が行う。



    【インエリア(有効エリア)】
    障がいの種類と程度によってプレー中とサーブ時に有効となるインエリアが異なり、基本的に相手のインエリアにシャトルが落ちればプレーヤーの得点となる。
    大きな特徴としては、車いすのカテゴリーと立位下肢障がいのカテゴリー内の一部の選手は、コートの半面のみを使ってシングルスの試合を行う。









    【その他の得点】
    以下のミスや反則があった場合は相手サイドに1点が入る。

    ●サーブ時
    ・サーバーもしくはレシーバーがサービスラインを踏んでいた場合。
    ・サーバーのラケットのヘッドが下を向いていなかった場合。
    ・サーバーが腰より低い位置からシャトルを打たなかった場合。
    ・立位カテゴリーにおいて、サーバーもしくはレシーバーの足がコート面から離れていた場合。
    ・車いすカテゴリーにおいて、選手の臀部が完全にシートから離れていた場合。

    ●ラリー中
    ・シャトルがネットに当たって相手コートに入らなかった場合。
    ・シャトルがネットを通り抜けたり、ネットの下を通って相手コートに入った場合。
    ・シャトルがプレーヤーの身体やウェア、車いすなどの用具・装具に触れた場合。
    ・プレーヤーがラケットや身体などでネットの下などから相手コートに入ったり相手を妨害したりした場合。
    ・プレーヤーがラリー中にネットに触れた場合。
    ・プレーヤーのラケットがネットを越えて相手コート内でシャトルを打った場合(オーバーネット)。
    ・同じプレーヤーが2回続けてシャトルを打った場合、もしくはダブルスでペアの二人が続けてシャトルを打った場合。


    【インターバルとコートチェンジ】
    ゲーム中、どちらかが11点を先取した時と、ゲームとゲームの間に休憩が設けられる。
    コートチェンジは、第1ゲームと第2ゲームの終了後と、第3ゲームでどちらかが11点を先取した時に行う。

     
  • パラバドミントンのクラス分け

    大きく車いすと立位の2つのカテゴリーに分けられ、更に障がいの程度に応じて分けられたクラスごとに競技を行い、順位を競う。
    車いすと立位の下肢障がいのクラスでは、数字が大きいほど障がいの程度は軽い。







     

監修:日本障がい者バドミントン連盟

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