ATHLETES' CORE

車いすテニス

ATHLETES' CORE

華麗なチェアワークと考え抜かれた正確なショット

2バウンドでの返球が認められていること以外は、一般のテニスとほぼ同じルールで行われる車いすテニス。
ラケットを持った状態で車いすを操作し、一瞬のうちに旋回してボールを打ち返す選手たちの華麗なチェアワークが見どころの一つであり、いかに自分の得意とするポイントパターンに持ち込んで流れをつくれるかが勝負の分かれ目となる。相手選手を思い通りに動かしてスペースをつくる、コントロールされたショットにも注目だ。

コレだけは覚えておきたい!観戦ルールブック

  • 車いすテニスとは

    専用の競技用車いすに乗ってプレーするテニス。サーブからスタートして互いにボールを打ち合い、ポイントを取り合う。
    2バウンドでの返球が認められている以外は、基本的に一般のテニスと同じルールで行われる。
    4ポイント先取で1ゲーム、6ゲーム先取で1セット獲得となり、2セットを先取した方が勝ちとなる。
    男子と女子、手にも障がいのあるクァードの3つのクラスに分かれて競技を行い、順位を競う。それぞれ1対1のシングルスと2対2のダブルスがある。

    選手たちが試合に集中できるよう、マナーとしてプレー中は静かに観戦し、素晴らしいプレーには拍手をおくる。
    また、席を移動する場合は基本的にセット終了時と1、3、5ゲーム終了後のコートチェンジの時に行う。


    ●コート
    ネット、サイドライン、ベースラインで囲まれたエリアが自陣コート。
    審判には、ネット横に設置された高い椅子に座って全判定を決めるチェアアンパイア(主審)と、
    ボールがライン内に入ったかを判定するラインアンパイア(線審)がいる。


               




     
  • 車いすテニスのルール

    専用の競技用車いすに乗ってプレーし、2バウンドでの返球が認められている以外は基本的に一般のテニスと同じルールで行われる。
    男子と女子、手にも障がいのあるクァードの3つのクラスに分かれて競技を行い、順位を競う。それぞれ1対1のシングルスと2対2のダブルスがある。
    4ポイント先取で1ゲーム、6ゲーム先取で1セット獲得となり、2セットを先取した方が勝ちとなる。


      
     


                   










    ●車いすテニスの車いす
    車いすテニスでは、コート内を自由自在に素早く動き回ることができるよう、軽量かつ高い旋回性を持つ専用の競技用車いすを使用する。


         

       
           




    【試合の流れ】
    主審のコイントスで、どちらがサーブ権・レシーブ権もしくはコートサイドを選ぶかを決め、サーブ権を取った側のサーブから試合を開始する。
    試合はポイント→ゲーム→セット→マッチの順で進行していく。

    ●サーブ
    プレーを開始する最初のショット。対角方向のサービスコートでバウンドするように打ち、1ゲームごとに相手と交代で行う。
    ゲームの最初のサーブはセンターマークの右側から行い、ポイントが入ると次はセンターマークの左側からと、ゲーム中は場所を交互に変えて行う。
    ボールがネットに触れてサービスコートに入った場合は無効(レット)となり、何度でもやり直すことができるが、
    ボールがネットにかかったり、サービスエリアの外でバウンドしたり、タイヤがラインを踏んだ場合は失敗(フォールト)となる。
    2回連続でフォールトになった場合はダブルフォールトとなり、相手にポイントが入る。


                            

        

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    ●ポイントの数え方  
    0ポイントの「0(ラブ)」から始まり、ポイントを取るごとに「15(フィフティーン)」、
    「30(サーティ)」、「40(フォーティ)」と数え、4ポイント目が「ゲーム」となる。

     
      
      
            


    ●ポイントの取り方
    サーブから始め、互いにボールを打ち合う中で、以下のような場合にポイントを獲得することができる。
    ・相手コート内でバウンドしたボールを、相手が2バウンド以内に打ち返せなかった場合。
    ・打ったボールが相手の身体や車いすに当たった場合。
    ・相手がサーブを2回連続で失敗し、ダブルフォールトとなった場合。
    ・相手が打ち返したボールが、自陣のコート内に入らず、アウトとなった場合。


    ●ゲームの取り方
    得点を重ねていき、相手に2ポイント以上差をつけた上で4ポイントを先取すると、そのゲームを獲得することができる。
    ただし、双方が3ポイントの40-40で並んだ場合は「デュース」となり、次のポイントを得た選手に「アドバンテージ」が与えられる。
    アドバンテージの状態から更に1ポイントを取り、相手に2ポイントの差をつけると、1ゲーム獲得となる。
    アドバンテージの状態で相手にポイントを取られた場合は再度デュースとなり、2ポイントの差がつくまでゲームは行われる。

    <ゲームの進行例>
     
        






    ●セットの取り方
    相手に2ゲーム以上差をつけた上で6ゲームを先取すると、そのセットを獲得することができる。
    そのため、双方のゲーム獲得数が5-5で並んだ場合は相手に2ゲーム差をつけて7-5にならなければセットを獲得できない。
    また、ゲーム獲得数が6-6で並んだ場合は、7ポイントを先取した方が勝利する「タイブレーク・ゲーム」が行われる。
    タイブレーク・ゲームで双方が6ポイントで並んだ場合は、相手に2ポイント差をつけた方がゲーム獲得となる。


    【シングルスとダブルス】
    1対1のシングルスと2対2でプレーするダブルスでは、コートの横幅が異なる。シングルスでは内側のサイドライン内、ダブルスは外側のサイドライン内が有効エリアとなる。


              

                    








    【車いすテニス独自の主なルールと反則】
    車いすテニスには、選手の障がいや車いすに乗ってプレーする特性上、通常のテニスとは異なるルールや反則があり、主に以下のようなものがある。

    ・2バウンドでの返球が認められている。1バウンド目がコート内に入っていれば、2バウンド目はコート外でもよい。
    ・ボールを打つ時に臀部が車いすから離れてはならず、違反した場合は相手にポイントが入る。
    ・車いすも身体の一部とみなされるため、車いすにボールが当たった場合は、ボールが当たった側の失点となる。
    ・サーブ時にタイヤがラインを踏んだ場合は、フォールトとなる。
    ・サーブの際、一度静止すれば、その後車いすをひとこぎしてからサーブを打ってもよい。
    ・クァードの選手はラケットと手をテーピングで固定するすることが認められている。
    ・一部のクァードの選手は、選手自身または第三者により、ボールをワンバウンドさせてからサーブを打つことが認められている。



    【コートの種類】
    車いすテニスのコートには、以下の3種類があり、それぞれに特徴がある。

    ●グラスコート
    芝生のコート。ボールはあまり弾まないが球足は最も速く、芝生の削れ方によって不規則にバウンドする。    
    サービスのボールが低く速く移動するため、速いサービスを打てる選手に有利なコート。

    ●クレイコート
    土を固めたコート。滑りやすいため高いチェアワーク技術が必要になる。
    バウンドするとボールの威力を吸収して球足が落ちるため、長い打ち合いになることが多い。   
    ミスをせず、粘り強い打ち合いが得意な選手に有利なコート。

    ●ハードコート
    セメントやアスファルトを樹脂でコーティングしたコート。表面が硬いためボールが弾み、
    バウンドした後の球足も速いため、テンポの早い試合展開を好む選手に有利なコート。   
    ボールが不規則に弾むことがないため、実力通りの結果が出ることが多く、番狂わせが比較的少ない。

                   
      


     
  • 車いすテニスのクラス分け

    性別や障がいの種類や程度によって3つのクラスに分けられ、クラスごとに競技を行い、順位を競う。
    それぞれに1対1のシングルスと2対2のダブルスがある。

    男子
    下肢に障がいのある男子選手が該当する。
    障がいの種類は脊髄損傷や切断などさまざまで、障がいの種類や程度による更に細かなクラス分けはない。

    女子
    下肢に障がいのある女子選手が該当する。
    障がいの種類は脊髄損傷や切断などさまざまで、障がいの種類や程度による更に細かなクラス分けはない。

    クァード
    下肢だけでなく、上肢にも障がいのある選手が該当する。
    性別の区別はなく、ダブルスでは男女でペアを組むこともできる。
    握力を補うため、ラケットと手をテーピングで固定することが認められているほか、車いすを操作することが難しい選手は、電動車いすを使用することもできる。

     

監修:日本車いすテニス協会

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