ATHLETES' CORE

卓球

ATHLETES' CORE

小さな球の回転が鍵となる、変化球を駆使した駆け引き

スピード感あふれるラリーと、リズミカルなボールの音で目からも耳からも楽しめる卓球。
選手たちの駆け引きはサービスとサービスレシーブから既に始まっている。ただ攻めるだけでなく、変化球などで相手のミスを誘いながら自身の流れに持ち込んで得点を重ね、勝利へと繋げていく一方で、狭いコートへ確実に球を打ち込んでいかなければならないため、小さなミスが失点にも繋がっていく、とても繊細なスポーツでもある。
高速で飛んでくる球を打ち返しながら、常に一歩先の展開を予測し戦略を立てることも必要であり、瞬発力やスタミナはもちろんのこと、判断力や精神力の強さも求められる競技だ。

コレだけは覚えておきたい!観戦ルールブック

  • 卓球とは

    卓球台を挟んで向き合い、ラケットで球を打ち合って得点を競う。男子と女子があり、基本的なルールは一般の卓球と同じだが、
    障がいの種類や程度によって一部変更が加えられている。
    サーブからスタートし、相手コートに入った球を相手が打ち返せなければ得点となる。
    一般的に1試合5ゲームズマッチで行われ、11点先取で1ゲーム獲得となり、3ゲームを先取した方が勝利となる。

    障がい者の卓球では、男女ともに障がいの種類により車いす、立位、知的障がいの3つの部に分けられ、その中で障がいの程度に応じて
    さらに細かく分けられたクラスごとに試合を行い順位を競う。試合には、シングルスとダブルスの個人戦、シングルスとダブルスの両方を取り入れた団体戦がある。
    選手は障がいに応じて義手や義足、松葉杖、車いす等の使用が認められている。


    ●卓球台
    プレーにおいて基本的に卓球台全面が有効範囲になっており、台の角や縁であるエッジは含まれるが、側面であるサイドは含まれない。




  • 卓球のルール

    基本的なルールは一般の卓球と同じだが、障がいの種類や程度によって一部変更が加えられている。
    サーブからスタートし、11点を先取すると1ゲーム獲得となり、3ゲームを先取した方の勝利となる。
    ただし、10対10で並んだ場合は「デュース」となり、どちらかが続けて2点を先取するまでそのゲームは続けられる。

    【用具】
    ●ラケット

    主にシェイクハンド型とペンホルダー型の2種類がある。ラバーの貼られていない面で打球することはできない。
    両面にラバーを貼る場合は、表裏で赤と黒の異なる色を使用する。



    ●ラバー
    主に3種類あり、選手は自身の障がいやプレースタイルに合わせて自由に組み合わせて使用する。


     
    <裏ソフト>
    表面がつるつるとしていて、摩擦力が高くボールに回転をかけやすい。  

     
    <表ソフト>
    表面が凹凸になっているため球離れが早く、
    ボールの回転力は高くないがその分相手の回転の影響も受けにくい。 

    <つぶ高>
    表ソフトよりも粒の高さが高く、相手の回転をとらえ逆回転にして返球したり、
    相手を翻弄する変化球を打つことができる。裏ソフトと併用することが多い。  










    ●球
    40mm+(直径40.0~40.6mm)のプラスチックボールを使用する。

    ●車いす
    タイヤがハの字ではない、垂直型の競技用車いすを使用することが多い。転倒防止用に小さな車輪が1つついている。
    高さの調整のため、座る部分に最大2つのクッションが使用できるが、その高さの合計は15センチ以下でなければならない。


    【サービス】
    プレーを開始するために相手コートにボールを打ち込むこと。
    コイントスなどでどちらが先にサービスを打つか決定し、その後は2本交代で進行する。
    10対10のデュース以降は1本交代となる。
    各ゲームの最初のサービス権とコートエンドはゲームごとに交代し、第5ゲームではどちらかが5点を先取した時点でチェンジエンドを行う。

    サービスは相手に球が見えるように、手のひらに乗せた状態で一旦静止してからトスを16cm以上上げて打ち込む。
    自身のコート内で1回バウンドさせ、相手コート内の有効エリアに入れば成功。
    球がネットに触れて相手コートに入ったり、ネットに触れずにサーバーの方へ戻ってきた場合は無効(レット)となり、何度でもやり直すことができる。
    球がネットに引っかかったり、自身と相手コート内の有効エリアでバウンドしなかった場合はサービスミスとなり、相手に1点が入る。












    【レシーブ】
    相手の打球を打ち返すこと。相手の打球が自分のコートで1回バウンドした後、直接相手コート内にバウンドさせるように打ち返せれば成功。
    以後交互にレシーブを繰り返すことをラリーと言い、ラリー中のネットインは有効となる。
    ダブルスでは、ペアを組んだ2人は交互に打たなければならないが、車いすの部では同じ選手が続けて打っても良い。









    【得点について】
    ラリー中、以下のような場合に1点を獲得する。

    ・自分の打球が相手コート内で2バウンド以上した場合。
    ・相手からの球がネットに引っかかった場合。
    ・相手からの返球が自分のコート内に入らなかった場合。


    【反則について】
    以下のような反則があった場合には、相手に1点が入る。

    ・ラケットハンドの手首より先以外の身体にボールが当たった場合。 
    ・二度打ちをした場合。
    ・ラケットを持たない方の手がテーブルに触れた場合。
    ・テーブルを動かした場合。
    ・車いす利用者の足または車いすのフットレストが床に触れた場合。
    ・車いすダブルスで、車いすの一部分がセンターラインを越えた場合。
    ・車いす利用者が打球する際、片側もしくは両側の太ももの裏が車いすのシートまたはクッションに触れていなかった場合。


    【タイムアウトについて】
    選手は1試合につき1分以内のタイムアウトを1回とることができ、そこでベンチからアドバイスを受けることができる。


    【個人戦と団体戦】
    ●個人戦
    1対1のシングルス、2対2のダブルスがある。

    ●団体戦
    団体戦は基本的に3試合行われ、先に2試合を勝利した方の勝ちとなる。
    1試合目はダブルス、2・3試合目はシングルスで行われる。


     
  • 卓球のクラス分け

    大きく車いす、立位、知的障がいの3つの部に分けられ、更に障がいの程度によって細かくクラス分けがされており、試合はそのクラスごとに行い、順位を競う。
    数字が大きいほど障がいの程度は軽く、障がいに応じて義手や義足、松葉杖の使用を認められる場合もある。

    ●車いすの部
    下肢などに障がいがあり、プレーをする上で車いすを必要とする選手が所属する。
    1~5のクラスがあり、障がいの部位や程度により分かれている。





    ●立位の部
    下肢または上肢に障がいがあり、立位でのプレーが可能な選手が所属する。
    松葉杖の使用が認められている。
    6~10のクラスがあり、障がいの部位や程度により分かれている。





    ●知的障がいの部
    クラス11

     

監修:日本肢体不自由者卓球協会

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