ATHLETES' CORE

陸上(短距離)

ATHLETES' CORE

鍛え上げられた肉体から生み出される躍動感のある走り

陸上(短距離)は、種目ごとに決められた距離を走り、タイムを競う。
選手が鍛え上げた肉体に義手・義足、車いすなどを一体化させ、躍動感あふれる走りとスピードを生み出す。
視覚障がいのクラスでは、ガイドランナーが全力で並走し、選手の進むべき方向、コーナーの曲がり方、残りの距離などを的確に伝える。
選手本人の走りはもちろん、二人の息の合った連携も見どころだ。

コレだけは覚えておきたい!観戦ルールブック

  • 陸上(短距離)とは

    1周400mのトラックを使用し、スタートからゴールまでの規定の距離を走り、順位を競う。
    種目には、100m、200m、400mの個人種目と、4×100m、4×400mのリレー種目がある。
    スタートからゴールまで同じコースを走るセパレートレーンが適用されるが、4×400mリレーでは、第2走者が100m通過した以降は自由なレーンを走るオープンレーンとなる。


    ●スタート位置とフィニッシュライン
    種目(距離)が変わってもフィニッシュラインの位置は変わらず、代わりにスタート位置が種目ごとに異なる。
     

                     



    陸上(短距離)では原則、障がいの種類や程度によって種目ごとにクラス分けがされ、そのクラスごとに競技を行い、順位を競う。

    ※陸上(短距離)の中には、競技用車いすを使用する「車いすレース」も含まれる。
     車いすレースに関してはPOINT OF THE GAMES「陸上(車いすレース/トラック種目)」を参照。


     
  • 陸上(短距離)のルール

    短距離には、100m、200m、400mの個人種目と、4×100m、4×400mのリレー種目がある。
    基本的に一般の陸上競技に準じて行われ、種目と障がいクラスごとに分かれて競技を行い、順位を競う。
    障がいの種類や程度によって使用する装具や受けられるサポートが異なる。


    【陸上 短距離用の装具】
    四肢切断の選手は、競技用に開発された義足や義手を使用して競技を行うことが認められている。


                 



    ●陸上競技用の義足
    競技を行うことを目的に開発された義足で、下肢切断の選手が使用する。
    膝上切断の選手用のモデルは、「ソケット」「膝継手」「足部(板バネ)」で構成されており、
    体重をかけることで板バネに生まれる反発力を前に進む推進力として活用し、走ることを可能にする。
    膝下切断の選手の場合は膝継手がなく、ソケットに直接板バネのついた義足を使用する。いずれも素材や形態は様々で、競技特性や選手によって最適なものを選んで使用する。




        





    ●陸上競技用の義手
    上肢に切断のある選手が使用。スタート時に体を支える役割を担うほか、走りにおける体の左右のバランスを整え、機能的な走りを支える。
    選手によって適する長さや角度、重さなどが異なるため、ほとんどがそれぞれの選手に合わせて作られた特注品。




             





    【視覚障がいクラスにおけるサポート】
    重度の視覚障がいの選手には、ガイドランナーと呼ばれる伴走者1名がつくことが認められており、その場合トラックは2レーンが与えられる。
    ガイドロープと呼ばれる紐を使用することで互いの動作を上手く合わせて走る。


    ●ガイドランナー
    選手の進むべき方向、残りの距離などを、ガイドロープや声を使って選手に伝えながら伴走する。
    優れたガイドランナーは、腕の振りや足の回転を選手に合わせながらも、一つ先の動作を選手に感じさせる伴走をすることができる。
    ガイドランナーは選手に並走する決まりで、選手よりも先にゴールした場合、その選手は失格となる。



        



        





    ●ガイドランナーによる指示の具体例
    カーブの出口では、遠心力がかかっている状態から直進への切り替えが必要となるため、走る方向の調整が非常に難しい。
    例えば、あるガイドランナーはカーブの頂点から出口までを4分割し、「5!」「4!」「3!」「2!」「1!」といった具合に声をかけ、出口に到達したことを選手に知らせる。
    声による指示以外にも、ガイドロープを引いたり、緩めたりすることで方向を伝える方法もある。

           
         




    【リレー種目について】
    基本的に一般の陸上競技のルールに準じて行われるが、異なる点がいくつか存在する。
    ・次走者とバトンの受け渡しができるテイクオーバーゾーンは、一般の陸上競技の10mの倍に当たる20m
    ・四肢切断クラスでは、次走者の体にタッチすることがバトンの代わりとなる
    ・視覚障がいクラスは1チーム2レーンを使用して行われる。また、バトンは選手、ガイドランナーのどちらが持っても良い


     
  • 陸上(短距離)のクラス分け

    種目ごとに障がいの種類と程度でクラス分けがされ、そのクラスごとに競技を行い、順位を競う。
    陸上競技のクラスは、競技カテゴリーを示すアルファベットと障がいの種類と程度を示す数字の組み合わせによって表現される。
    国際大会における走幅跳にはT11~13、T20、T36~38、T42~44、T45~47のクラスが該当する。


    ●競技カテゴリー
    T:トラック競技、跳躍
    F:投てき

    ●障がいグループ(10の位)
    1:視覚障がい
    2:知的障がい
    3:脳性麻痺
    4:低身長症、四肢切断または機能障がい
           (義足の使用はなし)
    5:車いす競技
    6:義足を装着して出場


    ●障がいの程度(1の位)
    数字が大きいほど程度は軽い

     

監修:一般社団法人 日本パラ陸上競技連盟

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